キミの隣に
フォークを持ってた右手を
机の上に置いたまま
彼女は寝息をたてる。


疲れてんだな・・・ 


『別に仕事も役職も
執着ないんだけどねぇ。
考えて昇格試験も受けたけど
責任も、嫉妬も被るから
楽じゃないよ。』

『直ぐに仕事をやめられる
訳じゃない。』

かかる重責

この間は、玄関で
寝てたしなあ・・・

しばらく彼女を見てるけど
やりたくて
仕事をしてる様には
到底みえなくて。


どんな思いで
自分のバンドの他に
あの時、里奈の代わりを買って
こなしてくれたのか

啓太や七海とのライブを
ひきうけてくれたのか

今更ながらに
大変だったんだって
心がいたんだ。


真月を、ちょっとでも
楽にしてやるには
どうすればいいんだろう。


ここへくるまで
結婚なんて具体的に
考えた事もない。

一人食えて、
多少の蓄えがあって
・・・くらい
の、感覚でやってきた。

これでも業界じゃ
堅実な方だけども

でも

コレじゃあ、
ダメ、なんだよな。


 

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