キミの隣に
 


「何でこんな
渋滞してんの・・・?」


市内に入ると、
道は、かなり渋滞していた。

イベント効果なんだろうな。

「クリスマスだからじゃね?」

欠伸をしながらいった俺に
彼女は興味なさげに、
ああ…っとだけ、言った。

「真月は、クリスマスとか
なんかしたりしないの?」

どこかで、『興味ない』って
答えを確信しながら聞いた。

「んん?」

意外な質問で、渋い顔をして
彼女は考え込む。

何もそんな
考えなくても・・・

「記念日とかって
めんどくさいよ。
でもさあ。」

真月は、クルッと
体をこちらに向け
ニッコリ笑った。

「樹里と一緒だったら」

その・・・笑顔・・・
待ってくれ。

「毎日、笑えそう。
毎日、特別な日に
なりそう。」

いつもの
してやったりな顔じゃなくて
キュートで可愛くて
仕方なかった。

心臓が早鐘を打って
言葉を失った。

「だから、樹里・・・

照れすぎだって。」

彼女が苦笑する。

「するに決まって・・・」

言葉が途切れたのは
 


 


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