ふたご王子に恋をした
「麻衣ちゃんヨカッタね!」


「うんっ!」


スキップで自分の席に戻ると紗結ちゃんが温かくむかえてくれた。


「43点で喜ぶなんて、マジでしょうもな。」


「うっさいな~!」




ほっといてよ!

鼻で笑う陽を軽くニラむ。




「………ま、ヨカッタじゃん。」



「………え!?」



今、


ヨカッタじゃん


って。


冷酷非道な陽がヨカッタじゃんって!!



え、うそ!

聞き間違いじゃないよね!?


予想だにしない陽の返しにあたしは目をパチクリさせた。


ヤバい…


悔しいけど…




ちょっと嬉しい。




「……なんだよ、気持ちわりぃな。ガン見してんじゃねーよ。」


「あぁ!?」




でもやっぱムカつく!!



そのあと返された英語のテストも50点でなんとか補習地獄から解放された。


これもサイテーイケメン双子のおかげ、


だよね?



あんなヤツらだけど感謝しなきゃ。



――――――――――

帰り道、

相変わらず旭はあたしのあとをつけてくる。


「麻衣ー☆ヨカッタね♪これも俺のおかげだよ?て、ことで付き合ってほ……」


「それだけはムリ。」


まだ言うか!

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