ふたご王子に恋をした
「うぅ~…俺、手も出さずに超頑張ったのに…」


旭は今にも泣きそうな顔でしょんぼりした。


いーやー!
やめてー!
そんな切なそうな顔しないでー!

顔だけ見ると抱き締めてあげたくなるような顔だが中身を知ってるだけに何とも言えないこの気持ち…


いいよねー…イケメンって。

性格こんなんだって分かってても、やっぱカッコいいって思っちゃうし、生きてて得することたくさんあるんだろうね…



えぇい!
ダメダメ!
あたしは騙されんぞ!


「確かに教えてもらったことは感謝してるよ?ありがとう!でも、それと付き合うとは話が別でしょーよ!」


「え~?一緒一緒。交換条件ってことで☆」


「そんな軽いノリで付き合いたくねぇっつーの。」


「…分かった。付き合うのは今は諦めるから…せめて手をつなぐとか…」


「ヤダ。」


「じゃあギュー……」

「ヤダ!」


「キスは……」


「もっとヤダ!」


「せめてエッ……」


「どわーッ!それ以上喋るな変態!」


つーか、“せめて”のレベルが上がってるっつーの!

ダメに決まってんだろ!!

バカじゃないのこの人!


あたしはグーで旭を殴り飛ばすと走ってその場から逃げた。


「あ、麻衣!待ってよ~!」

「来ないでー!」


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