ふたご王子に恋をした
「な…なんなのコレ…」


モデルルームみたいにキレイだったリビングはまるで強盗が入ったかのごとく、ひどく散らかっていた。


高そうな食器類も粉々に割れて床に広がっていて、正直、何か事件があったとしか思えないような部屋に変わっていた。


「あちゃー…見られちゃった?」


「……コレ、まさか…全部…陽がやったの?」



アイツの尋常じゃない怒りようと、拳の傷からいってそれとなく察することができた。



「……まぁ、そうなるかな…。」


「やっぱり…」



なにコレ。
どーやったらこんななるかね。



旭は頭をポリポリとかいたあと、


「ごめんね、お騒がせしました。」



と言って割れた食器を拾い、片付け始めた。


「…もしや、兄弟ゲンカ?」


あたしも床に落ちた食器を丁寧に拾いあげる。



「いや…そういうわけじゃないんだけど…。」



じゃなかったらなぜこんな大惨事に…


…………………



はっ!
家庭内暴力!?





「……こんな派手に暴れたのは久し振りかな……あ、別に家庭内暴力とかじゃないからね!誤解しないで!」



心の声を読まれたような返し。

< 107 / 389 >

この作品をシェア

pagetop