ふたご王子に恋をした
「はい…」


おとなしくソファーの上にちょこんと座る。


……………………



『俺とヒナしか住んでないから』



……気になる。

これこそ余計なお世話かもしんないけど…気になる!


お母さんとかお父さんと離れて暮らしてるってことなのかな…


それとも…



「………なに?」


「えっ!?」


「そんなに俺のこと見て、いよいよ付き合う気になった?」


「ちがうし。」



どんな状況でもボケをかましてくるな、コイツ。



「もしかして…俺とヒナしか住んでないって話、気にしてるカンジ?」


「う…うん。」



図星。


見事に当てられあたしはコクリとうなずいた。

あたしってもしや分かりやすいタイプ?


さっきから考えてることズバズバ当てられてるんだけど…



「えっとねー、うちは母親がいないんだ。」


…ヤバい。
早速ヘビーな話が!



「俺らを産んですぐ死んじゃったの。だから顔は写真でしか見たことないんだ。」


「へー……お父さんは?」


「いるよ。いるけど…まぁいないようなもんかな。仕事一筋だから。」


「なんの仕事?」


「貿易会社の社長。」


えーっ!!!

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