ふたご王子に恋をした
「…な、なに?」


ケーキにがっつくあたしを旭がマジマジと見ている。


なによ、食べ過ぎってか?


旭はまばたきせずに数秒真顔で凝視したあと、



「いや…かわいいなと思って。ただそれだけー。」



と言ってケーキを食べ始めた。



「な!ななななっ…………!」



なにを言うんだ急に!


「…俺って、やっぱ軽く見える?」


「え、うん。そうだね。」


「はああ…」



大きくため息をつく旭。


「なんでそう見えるのかなぁ…やっぱこの見た目!?ピアスやめようかなー…」


「いや~見た目以上に中身が…」


「え!?て、ことはなに!中身が軽いってこと!?」


「だってすぐカワイイだの好きだのチューだのしょうもないこと言うじゃん。」


「しょ、しょうもないって!ヒドい!本音なのに…」


旭の目にジワリと涙が浮かぶ。


「うわわわ!ちょっと泣かないでよ~!」


「だって~…」


「メソメソすんな!男だろ!」



これじゃどっちが男かわかんないよ~!


てか、なんでこんな話の流れに…

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