ふたご王子に恋をした
「あ、コレ!麻衣っぽくていいじゃん!」


旭が手に取ったのはデッカイ黄色い花がついたトングのサンダル。



「えー!やだよ!なんかバカっぽい。」


「それお店に対して失礼でしょ。とりあえず履くだけ履いてみなよ!」


「別にいいよ~。履かなくても。」


「ダメ!履いて!履いて似合わなかったら諦めるから!」


「なんでアンタが買う気満々なわけ…」



強引気味に手渡されたサンダルを渋々履いてみる。



……あれ、


履いてみると意外にかわいーかも…


「やっぱ似合うじゃん!俺ってセンスいーよね!」


「誰も褒めてないし。」


「それスゴい人気なんですよ~☆」


「わっ!」



突然真後ろから会話に加わったショップの店員さんに思わずビビる。



「最近入荷したばっかりなんですけど、出したら1週間で品切れしちゃって、再入荷したんですけど、それも今お客様が履いていらっしゃるもので最後なんですよ~。」


「そうなんですか!?」


店員さんにそう言われるとますますかわいく見えてきた…


あたしって単純だなぁホント。

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