ふたご王子に恋をした
ロールケーキを2本取って、箱にキレイに並べて保冷剤を入れる。


「お会計は2100円になります!」


「はーい☆2100円ね♪あ、ピッタリなかったから…2500円で。」


「はい!400円のお返しになりますっ!」


お金を受け取り、おつりとレシートを手渡すと男の子は「ありがとう☆」と微笑んでお店から出ていった。



「ちょ…麻衣…麻衣!」


「……へ?」


「口!さっきからあきっぱなし。」


「うえっ!?」


千夏に指摘され慌てて口を両手でおさえる。



「スゴいね、今の人。超カッコよかった!麻衣のモロタイプってカンジじゃん。」


あたしは口を押さえたまま大きくうなずいた。


「いや、しゃべりなよ。」


「どストライク!」


「力強いなぁ~。」




だってあんなにカッコいい人、見たことないもん!


芸能人みたい!


え、芸能人!?

実はあたしが知らないだけで芸能人ってオチ!?


んなバカな。


「でも……ホントかっこよかったー☆なんだか久し振りにときめいたよー。最近の子ってホントかっこいいね~。」


「おばちゃんじゃん。」


< 14 / 389 >

この作品をシェア

pagetop