ふたご王子に恋をした
「つーかコーチいい加減練習戻んないと。ずっとパス練じゃキツいっすよ。」


おぉ、遼のヤツ的確なこと言うじゃんか!


準備体操しながら冷静に遼が言う。


「…そうだな…はぁ……お前ら気合い入れていくぞおおぉー!」


急にスイッチがONになった!


体育会系のノリはよく分からん…



ひとり取り残されたあたしは近くにあったベンチに腰をおろした。


今日はここ最近にしてはめずらしく涼しくてまさにサッカーするにはちょうどいい天候。


んー……


こうやって座ってるとマネージャーっぽいな!


めんどくさそうだから一度もやったことないけど。



練習は着々と進み、ミニゲームをしたあと休憩となった。


「陽さん!いつものやってくださいよ!」


「見たい見たい!」


「俺も!」



ダルそうにスポーツドリンクを飲む陽のまわりに子どもたちが群がり始める。


「え~?またかよ。めんどい。」



アイツ、子どもに対してもあんなふてぶてしい態度なのか…


容赦ないな。


「そこをなんとか!」


「お願いします!」



うわわわ、遼まで手合わせて懇願してるし!


何してんだろ?


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