ふたご王子に恋をした
「うるせぇな…わかったよ…。」


「やった!」



そう言うと陽は近くにあったボールに足を伸ばした。そして器用につま先でボールを蹴りあげ、足の上でポンポンとボールを弾ませる。




「リフティングだ!」




そんで…



超うまい!
お世辞抜きで…


まさにボールは友達状態じゃん。


足先から、足の内側、かかと、太股、頭…



一瞬たりとも乱れることなく一定の同じリズムでボールが弾む。


す、スゴい……



アイツがこんな器用なことできるなんて…意外すぎる!


ボーッと口をあけてバカみたいに見ているとバッチリ陽と目が合った。


そして次の瞬間、ボールがこっちに向かって………







飛んできたんだけど!



「うぎゃあ!」


当たったー!
ボールがあたしの頭に直撃。



「…ちょ、な、何すんのー!!」



「…わりぃ、ワザと。」


「わかっとるわ!」



バッチリ目が合った上で飛んできたからね!


「バカみたいに見てんじゃねーよ。気が散る。」



「はー!バカみたいって…」



自覚してたわ!



自覚してることを改めて言われると腹立つわ~!


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