ふたご王子に恋をした
「陽さんって、遼のねーちゃんと付き合ってるんすか!?」


「あぁ?ふざけたおせ。冗談でもぶっ殺すぞ。」



眉間にシワをよせ、イラついたように子どもに言う陽。


確かに違うけど!
そこまで言うか!?
こっちだってお断りじゃ!



「えぇ!?やっぱそういう関係だったのお前ら!」


変なタイミングでコーチ入ってきたし!


もういいよアンタ!





――――――――――

練習が終わる頃には日も暮れ始めていた。


「俺このあとメシ食ってから帰るから夕飯いらないって伝えといて。」


「はいはい。」


着替え終わった遼は早々と友達とゴハンを食べに行ってしまった。



つーか、あたし今日何のためにきたんだろう…



「…帰ろ。」



グラウンドを出ると、ちょうど陽があたしの前を通り過ぎた。



「あ、陽。」


「なんだよ。」


「別に~。アンタ今から帰るの?」


「そうだけど。」


そう言ってまた歩き出す陽。


「…ついてくんなよ。」


「あ!?ついてってるんじゃなくて、方向が一緒なだけだっつーの!」


勘違いすんな!


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