ふたご王子に恋をした
「ちょっと陽!待ちなって!」


「うるせぇ!ついてくんじゃねーよ!」




ヤバい……

あのときと同じだ…


完全にキレてる!



陽がエレベーターホールについた瞬間、エレベーターのドアが開いて遼が出てきた。



「あ、陽さん……に、姉貴?」


陽は遼を押し退けてエレベーターに乗り込む。


「だからちょっと待てっつーの!」



扉が閉まる瞬間、慌てて飛び込み、ゆっくりとドアが閉まった。そして下に向かって動き出した。


「……ちょ、陽…」



「クソっ!!」



ガンッ!!



ガコンッ!!
ピ―――――――………





………………え?



陽が力いっぱいエレベーターの壁を蹴ると、エレベーターは大きく揺れたあとガコンと変な音をたて停止した。



「…あ?」


「エレベーター………止まっちゃったんだけど!!ちょっとどーすんのー!アンタのせいだよ!」



ありえないっ!


カバンから携帯を出すが見事に圏外。


非常用ボタンを押す。


「今から急いでそちらに向かいますが、復旧までには大体あと1時間はかかりますね。」


「はーっ!?」



1時間もエレベーターに閉じ込められたまんま!?


ホントにありえないっ!!


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