ふたご王子に恋をした
「どーすんのよ…」


「…止まったもんはしょうがねえだろ。」


「誰が止めたと思ってんの。」


「だからついてくんなって言ったんだよ。ついてきたクセにゴチャゴチャ文句言うな。」


「うっ…それは確かにそうだけど……」


「お前変なとこ女々しいな。」


「女々しいんじゃなくて、女!れっきとした女だから!………はあ。」



ヤバい…
こんな狭い空間に1時間も閉じ込められるのにムダに体力使っちゃったよ…


あたしはため息混じりにその場に座りこんだ。


反対側に陽があぐらをかいて座った。




「…………………」
「…………………」





そして無言。

なかなか気まずい。



『俺に迷惑をかけるな。』


『父親が俺だということをまわりに言い触らすな。』



『おとなしく過ごしていればいい。』





あれが、本当のお父さん…?


『色々事情があってね…』


『お前にはわかんねぇよ。』



ふたりが抱えてる問題は同じことで、それはなんとなく察することができた。


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