ふたご王子に恋をした
*真逆な理由
どれくらい経ったんだろう。
陽がそう言ってからしばらく無言が続いた。
あたしの頭ではその言葉で全てを悟ることは到底できなくて、
「俺たちを憎んでるんだ」
その言葉だけが頭をエンドレスにぐるぐる回っていた。
話したくなければ話さなくていい、だからあたしもムリには聞かない…聞かないけど、気にならないワケじゃない。
「………いい加減その顔やめろ。」
「え?」
「眉間にシワ寄せてスゲー考えてますって顔してる。」
陽にそう言われ思わず眉間に人差し指をあてグリグリとほぐした。
「…はぁ。まぁここまで言ったら確かに気になるか。」
「う…うん…」
――――――――――
俺たちには母親がいない。
それは旭から聞いてんだろ。
「うん。二人を産んですぐに亡くなったって…」
うちの母親は元々体が弱かった。
双子を産むにはあまりにも無謀な体だ。それなりにリスクを伴う。
今の状況で俺らを産めば母親は危険な状態になる。
俺たちか、自分の命かどちらか選ぶしかなかった。
親父は俺たちを産むことを反対した。
だけど、
母親はそれを受け入れなかった。