ふたご王子に恋をした

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陽の話はあたしのレベルでもよく分かる話だった。



分かりやすすぎて、


胸がズキズキと痛む。



まるでドラマみたいな話がこんな身近にあるなんて思わなかったし、正直どう反応したらいいのかわかんない。


どう答えてあげたらいいのかわかんないよ。




「俺は親父も親父を取り巻く大人たちも嫌いだ。信用なんかしないし、はなから信じようなんて思わない。」



陽はうつむいたまま淡々と答えた。



かける言葉も見つからないあたしはそんな陽をただ黙って見ることしか出来なかった。




陽がまわりの人間と積極的に関ろうとしないのは、関わってもしょうがないと思ってるから。


ひとりでいる方がラクだし、今までそうやって生きてきたから。


そうやってまわりと壁を作る生き方を覚えたのはお父さんのせい。


育ってきた環境のせい。




「…だけど、アイツは…旭は違う。俺とは違う。」



…違う?




「アイツは、ああやって明るく振る舞えばみんな自分を好きでいてくれると思ってる。優しくしたら嫌われない。自分を認めてほしいと思ってる。」


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