ふたご王子に恋をした
「うぅーん…………」
「何うなってんだよ。」
「考え事してんのー。」
家に帰ってからリビングで腕組みしたまま、眉間にシワ寄せ、苦い顔をしてかれこれ1時間。
考えれば考えるほどドツボにハマっていくあたしを遼が不思議そうに眺める。
「考えごとねぇ…お前の足りない頭で考えごとしたっていいアイディアが浮かぶとは思えないんだけど。」
「うっさいなー!」
的確なツッコミすんなっつーの!
イタイところをつかれ思わずムキになる。
あたしだってそんくらいわかっとるわ!
「そういえば、さっきのは何だったわけ?」
「さっきの?」
「エレベーターのとこで。陽さんの様子がなんか違ったけど。」
「あぁ…」
そういえばあんとき遼と入れ違いになったっけ。
「お前陽さんに迷惑かけんなよー。」
「かけてないし!なんであたしが怒らせたテイで話進めてんの!」
「あ、違うんだ。」
「違うし!はあ…子どもには難しい話が色々あるんだよ。」
「お前も十分ガキだけどな。」
「小学生に言われたくないし。」