ふたご王子に恋をした
『やはり将来的には息子さんたちに会社を継いでもらいたい、という気持ちはありますか?』


『そうですねぇ…どうでしょう。まだ未成年ですし、本人たちもきっとやりたいことがあるでしょうからね…まだ分かりません。先の未来を考えるより、今を頑張らないといけないと考えているところです。』



微笑みながら答えていてもその言葉はやはり冷たく感じた。


市瀬父は会社を継がせる気はないのかもしれない…そもそも、息子として二人をきちんと受け止めていない。


これじゃ、いつまでたっても3人の関係は平行線だよ…


なんとかしなくちゃ…



だけど…



できることってなんだろう…あたしにできることなんてあるのかな?



それからテレビの中の二人は他愛もない会話のやりとりをし、番組が終了した。





「はぁ…」



布団に入ってからも3人のそれぞれの言葉が頭の中をぐるぐると駆け回って、全く眠れなかった。


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