ふたご王子に恋をした
手に取ったのは大きくて分厚いアルバムだった。


……ちょっと見てもいっかなぁ…



いいよね、手伝いに来てるんだし、これくらい見たって。


まわりに二人がいないことを確認して、ペラッとページをめくる。


「……最近の、かな?」


1ページ目は今とさほど変わらない旭と、友達らしき男の子たちの写真が貼ってあった。


うわー…友達までカッコいいし…


ありえん!


類は友を呼ぶとはまさにこのことか。


何気ないショットや、行事の写真。


どの旭も明るい笑顔。




『明るく振る舞えばみんな自分を好きでいてくれる』



思い出した途端、その写真が妙に切なく感じた。


この時の旭はやっぱりムリしてるのかな…


むしろ、こうしてる今もムリしてるんだろうか…


そう思いながらページをめくっていくと、ヒラリと何かが落ちた。


真っ白で3つ折りになっている紙からちょこっとだけ文字が見える。



「……手紙だ。」


ゆっくり開いてみる。


『産まれてくる旭と陽へ』






………………え?


これって………




『旭、陽、元気にしていますか?この手紙を読んでいる旭と陽はどんな姿なのかしら。お母さんには想像できません。』


やっぱり…

お母さんからだ!


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