ふたご王子に恋をした
「この写真が母親なんだ。」


アルバムの最後のページに1枚だけ貼ってあった写真は、色白でキレイな女の人。


これが旭と陽のお母さん……


優しそうだなぁ…



ニッコリ微笑むその顔は、やっぱりどことなく二人に似ている。



「手紙と一緒に入ってた写真。これが俺とヒナにとっては形見みたいなもんでさ…女々しいかもしんないけど大事にとってるんだよね。」


「旭………」



手紙を見つめていた旭が顔をあげる。


その表情はやっぱりどこか切なくて胸が締め付けられる……


旭の手がそっと伸びてあたしのほっぺたを触った。




「…………麻衣。」


「…………あ…」


「おい、お前ら掃除サボってなにイチャついてんだよ。」



振り返ると、陽が部屋の入り口に寄り掛かり呆れたようにこっちを見ていた。



「見られちゃった?恥ずかしーっ!」




旭はワザとらしく両手で顔を覆う。


さっきのシリアスな旭はどこへ……



「アホか。ちゃっかり休んでんじゃねーよ!働け!」


「はいはい。うるさいなあ~。今行くってば!それじゃあ、麻衣、そこ軽く片付けたら戻っておいでね☆」


「う、うん…」

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