ふたご王子に恋をした
お姉さんに促されソファーに腰掛けたものの気持ちは全く落ち着かない。



ソワソワするなぁ…



5分ほどしてお姉さんに「小泉様」と呼ばれまた受付前に行く。


「あ、あの………」


「5分ほどならお会いできるとのことですが。」


「ホントですか!?」


「はい。ご案内いたします。」



やった!
なんとか第一段階クリア!
やってみるもんだな…



お姉さんに案内されエレベーターに乗り、応接室に通された。


「社長を呼びますので少々お待ちください。」


「は、はい…」



静かな応接室にひとり残されるとあたしは大きく息を吐いた。


今さらながらあたしって相当命知らずなことしてるんじゃ…


勝手にこんなことして…ホントおせっかいだなぁ…


だけど、こんな状況を黙って側で見てるだけなんて出来ないよ…



うつむきながら拳を握りしめたそのとき、ガチャリと応接室の扉があいた。


「あ………」


振り返ると秘書のお姉さんと、市瀬父が立っていた。


市瀬父は怪訝そうな顔であたしを見たので、一応ペコリと頭を下げる。


「…悪いが席を外してくれないか。」


「はい。」


その言葉に秘書のお姉さんは軽く礼をして出ていった。

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