ふたご王子に恋をした
「市瀬さんは社長としてはとても完璧な人間でいらっしゃいますが、父親としてはなかなかクソですね。」


その言葉に市瀬父の眉がピクリと動いた。



「何100人という部下を従えることは出来ても、たかが子ども２人は手に追えませんか。会社の人がその事実を知ったらどう思うでしょうね。さぞガッカリすると思いますよ？」


「……なんのつもりだ。」



「あたしはもっとあの二人と向き合ってほしいと思ってるんです。」


市瀬父は大きくため息をつくとソファーから立ち上がった。



「これはウチの問題です。関係のないあかの他人であるアナタに口出ししてもらいたくない。」


「ウチの問題なんて、ちゃんと家族というものに向き合ってない人に言う資格があるんでしょうか。」


「……それではもう時間なので失礼します。」


ちょ……


「ちょっと待ってください！！」



ドアノブに手をかける市瀬父の背後に向かって叫ぶ。



「ホントはお父様もきちんと向き合わなきゃいけないと思ってるんじゃないですか！？」

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