ふたご王子に恋をした
「二人はお父様宛ての手紙には気付いてないようでした…まだ封は開けられていませんから。読んでみてください。」



「……………………」


「…自分でもでしゃばっていることは重々承知です。本当にすみません。だけど…あの二人にはお父様が唯一の家族なんです。大人のように見えてもまだまだ子どもです。誰かに甘えたくても甘えられず、孤独感を抱えたまま今まで生きてきたんです。」



「…………………」



「二人のことを……認めてあげて下さいっ。」



グッとこみあげてくる涙をこらえるとあたしは深々と頭を下げた。


「…それでは、失礼します。お忙しいところ申し訳ありませんでした。」




二人に黙ってこんなことして…


すごく勝手なことをしてるってのは分かってる。


これで状況が良くなるかどうかは分からないし…



だけど二人には、寂しい思いを抱えたまま生きてほしくない。


家族っていいなって、思ってほしい。



これが精一杯のあたしにできること。


どうか…


3人が、


分かりあえますように…。


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