ふたご王子に恋をした
あれから数日。
「はあ………」
あたしの気持ちは晴れずにいた。
市瀬父は手紙を読んだのかな……
あれからどうなったのかな…
そもそも、手紙、なんて書いてあったんだろうな…
考えれば考えるほどテンションは下がっていく一方で……
かと言って何食わぬ顔で二人に会うのもなんとなく気まずい…
正直これじゃ中途半端にかき回しただけだよね…とか…
今さら反省しても遅いんだけどさ…
「あー!モヤモヤする~!」
「モヤモヤするならお出かけでもしたら?」
頭を抱えるあたしを見て、お母さんが思いついたように言った。
「え~?」
「ほら、ちょうどお醤油切れてたし☆」
「単純にあたしのこと買い物に使う気マンマンだよね?」
「あ、バレた?よろしくね♪」
「いや、まだ行くとか言ってないんだけど!」
促されるままお母さんに財布を渡され、あたしは渋々スーパーへと出かけた。
頼まれたものと、自分用のジュースを買ってまた家路に戻る、
そのときだった。
「きゃあっ!!」
不意に後ろから誰かに腕を引っ張られ、バランスを崩したあたしはよろけた。