ふたご王子に恋をした
「いいなぁ、麻衣ちゃん……」


「…紗結ちゃん?」



ため息混じりにつぶやく紗結ちゃん。



「陽くんと仲良しなんだもんね…」


「いや、仲良しってわけではないけど…」




………あれ?
もしかして紗結ちゃんって………



「あ☆もしや~、紗結ちゃんって、陽くんのことがす……」


まるであたしの気持ちを代弁したかのごとく千夏がそう言うと紗結ちゃんの顔が真っ赤になった。


「なっ!そそっ……そういうんじゃないよっ!?すすす好きとかじゃなくて………」



紗結ちゃん…


なんて乙女なんだっ!かわいすぎる!




「す、す、好きとかじゃなくて……その…か、カッコいいなあって……お友達になりたいなーって…。」


紗結ちゃんは恥ずかしそうにうつむいたまま答えた。



「でも…なんだかうまく話せなくて…だから物怖じしないで堂々と話してる麻衣ちゃんがスゴいなぁって思っちゃった。」



「あたしが!?」



思わず紗結ちゃんを二度見する。


そんなことでスゴいだなんて言われたことないよ!

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