ふたご王子に恋をした
別に好きなんかじゃないし!



好きじゃないもん……



『麻衣は優しいね』

『ありがとう』



抱き締められたときの感触と、ほっぺたを触られたときの大きくてあったかい手の平、旭の優しい眼差しがあたしの頭をよぎった。


思い出しただけで胸がドクンと早く脈を打ち、顔が熱くなるのがわかる。




って!


な、ななんであたしドキドキしてんの!?

完全に動揺してるよね!?

意味分かんないし!


しっかりしろあたし!




「うがーっ!」



「わっ!なに!?急に叫び出したよこの人!」


「麻衣ちゃんって突然スイッチ入るときあるよね。」





お弁当を食べ終え、教室へ戻る途中、ひとりトイレに立ち寄る。





「ふぅ……スッキリし………きゃあっ!」




トイレを出てすぐ、誰かが後ろから抱き付いてきた。



な、なななに!?





「麻衣ちゃんみーつけた♪」


「あ、旭っ!」



思いがけず突然現われた旭にあたしの声は裏返ってしまった。



「ビックリしたー?」


パッと手を離すと悪びれた様子もなくニコニコとしている旭。


なんなんだコイツは…

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