ふたご王子に恋をした
『あと3分でホームルーム始まるケド間に合いそうなの?』


「ムリ!極限で急いでるケド、ムリ!」


『あはは☆ウケるー!』


「全っ然ウケないし!てか人の不幸楽しんでるよね?」


『ま~こっちはこっちで時間稼ぎしとくよ。』


「頼む!」



電話が終わったと同時に信号が青に変わり、もう一度走り出した。



学校に着いたときはホームルーム開始から10分ほど遅れていた。



さすがの千夏でも10分は時間稼げないよなあ…



怒られること覚悟で教室の後ろのドアを開ける。



「すいません!遅れました!」



一斉にみんなの視線が集中したが、あたしだということを確認すると口々に「なんだぁ~」とため息混じりにつぶやき、また視線を前に戻した。




え、なに?

なんだってなに!?

あたしですがなにか!?



あたしもみんなの視線を追って前を見る。



「なんだ、小泉か。紛らわしいな、早く座れ。」


「紛らわしい?」



腕組みしたツトムくんの横には誰かが立っていた。


それは見たことがある顔で……


えーっと……


「……あ!」





昨日の!

イケメン!!

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