ふたご王子に恋をした
「あーあ、っとー……」


ため息混じりに顔をあげるとちょうど旭が立ち上がった。


「俺、怖いのやりたいッ!」



………は?
どうした!?
いきなりなんの話?




「…と、いうことはやっぱりお化け屋敷かな?」


委員長の言葉に黒板を見ると、もうひとりのクラス委員が『お化け屋敷』と付け加えた。


あぁ、出し物決めてたんだった。


お化け屋敷かー…
定番っちゃ定番で、かんなりベタだけど一番楽しいのではあるよね。


「お化け屋敷、楽しそうだね☆」



前に座っていた紗結ちゃんが目を輝かせながら振り返った。



「あれ?紗結ちゃんって怖いの平気なの?」

「え?平気とゆーか、むしろ大好きだよ♪」


「えぇ!?そうなの!?」


「うん!血がドバーッとか内蔵がぐちゃーとか見ててワクワクするじゃん☆」


「いや、じゃんって言われても…今あたしの中で紗結ちゃんに対するイメージが完全に崩壊したよ。」



結局出し物はお化け屋敷プラス映画に決定した。

コンセプトとしては、初めに短めの怖い話のDVDを見てからお化け屋敷に入るというものらしい。


その後話し合いは着々と進み、細かい係はクジ引きで決めることになった。


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