ふたご王子に恋をした
そして放課後、




「…て、ことで早速今から映画選び行くよ!」


「はあ!?」



カバンに教科書などしまい、帰り支度を始めるあたしの横で旭がイキイキとした表情で言った。


「は、早くない!?まだ時間あるし、もうちょっとあとでも…」



「何言ってんの!善は急げっていうじゃん!大量にあるDVDを片っ端から見ていいの選ぶには今から始めなきゃ時間足りないよ!俺たち衣装もやんなきゃいけないしさ!」


「う…うん…そうだけど……実はあたし…」


「じゃあ決まりね☆早く帰ろ!はい、カバン持ってあげるから行くよ!」


「え!?おいっ!」




人の話聞けや!!


なんでコイツって人の話聞かずに突っ走ること多いわけ!?


たすけてっ!!






――――――――――

半ば強引に旭に連れて来られる形でレンタルDVD屋に到着。

ここはウチのマンションからも近くて、よく来る場所だけど…ホラーコーナーに立ち寄ったことは一度もない…



「へぇー!結構ホラーって種類あるんだね~!」


「……そうですね。」


旭の背後に立ち、隠れるようにしてリュックの端をつかむと、あたしは棒読みで答えた。


あー…早くこの場所から逃げたい。

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