ふたご王子に恋をした
「何系がいいのかなー?長いのじゃ飽きるしねー…短編集みたいなヤツあるかなぁ…」



「あーうん、そうですねー。」



旭が動くのと同時に一緒に動く。



「…てゆーか、さっきから気になってたんだけど…どうして麻衣は俺の後ろに隠れてんの?」


「えっ!?」



旭にズバリと痛いところを突っ込まれる。


DVDの怖いパッケージを見たくないから隠れてるなんて…い…今さら言いづらい……



「麻衣も係なんだから一緒に選んでよー。」


「いや…あのそうしたいのは山々なんですがね…色々諸事情がありまして……選ぶのは旭に任せるよ。」


「え~?しょうがないなあ…じゃあよくわかんないからテキトーにいっぱい借りちゃうよ?」


「いっぱい!?」


「だってどれがいいかよくわかんないんだもん。」



そう言って次々にDVDをカゴに入れていく旭。


あああぁ………
カゴの中も見れないじゃん!


「よし!これでオッケー☆レジ行くよー。」


「はいっ!」


旭のリュックにしがみつき、まわりを一切見ることなくレジへ向かう。


あー……もう…すでに疲れたよ…


精神的にヘタヘタなあたしをよそに旭はうらやましいくらいひょうひょうとしている。


その神経分けてくださいッ!

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