ふたご王子に恋をした
「…あ、ごめん。嫌だった?」


目を丸くしたあたしを見て旭がハッとして言う。


自然にやっときながら改めてそういうこと言わないでほしいんだけど…

こっちがハズいじゃんか!



「べ、別に!ありがと!」


「ならよかった☆」




あー……ダメだ…
コイツといると、なんっか調子狂う!



ニコニコ微笑む旭を気にしつつケーキを食べ終えると紅茶を飲んで一息ついた。



「ふぅ…おいしかった。」


「じゃあ早速見よっか。」


「え!?」



そう言うと手際よくDVDをセットしていく旭。


ケーキですっかり忘れてたけど、本来の目的はDVD見るんだった!


ど、どうしよう…



「そこから見える?見えにくかったら移動してもいいけど。では始めまーす。」



「ちょ…ちょっと待ったー!!」



再生ボタンを押すコンマ1秒前にギリギリで止める。


ま、間に合った…



「なに?トイレ?」


「いや……その…実は………あたし、怖いの苦手で……」



「え!?そうなの!?」



「出来たら……見たくない……んだけど…ひとりで眠れなくなるし……」


あーハズい!
今さらこんなこと言って絶っ対バカにされるじゃん!

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