ふたご王子に恋をした
「わかった。じゃあ見なくてもいいから一緒いてよ。」


「え?う…うん……」


見なくてもいいなら別にいいけど…


ホッと小さくため息をつくと、テレビの前にいた旭が立ち上がった。


ヤバい…
始まるッ!!


反射的に両手で顔を覆い視覚を遮る。

とりあえず声は聞こえても映像見なけりゃ大丈夫!



「よし……おわっ!!」



気合いを入れた瞬間、後ろから何かがフワッとあたしの身体を包んだ。


目をあけて確認するとあたしの身体は旭にしっかりと、だけど優しく抱き締められていた。


「こうしてたら怖くないでしょ?」



耳元で優しくつぶやく。顔は見えないけれど、旭の穏やかな笑顔が想像出来た。


くっついている背中はスゴくあったかくて、旭から香水のイイ香りがする。


抱き締められてるということを意識した途端、心臓が激しく鼓動を打つ。


もしかしたら旭にも聞こえてるんじゃないだろうか…


「ごめん。こういうことするとまた変態とか言われちゃうよね。」


少しだけ切なそうに言われ胸がキュンとした。

< 220 / 389 >

この作品をシェア

pagetop