ふたご王子に恋をした
「……麻衣?」


いつもと様子が違うあたしを見て、旭は少しビックリした顔であたしの顔をのぞきこんだ。



「あれ?もしかして…麻衣…」


「な、なに…」


「ヤキモチやいてくれてるっ!?」


「は!?」




ヤキモチ!?


なななに言っちゃってんの!?


「なわけないでしょ!」

「おわっ!」



なぜかうれしそうに目をキラキラと輝かせ近付いてくる旭を突き飛ばすと、あたしはダッシュで教室へと向かった。



ヤバい…
あたし今絶対顔が真っ赤だ!



確かに…

ヤキモチって…そう言われてもおかしくない言い方してたよねあたし…


もお~!何してんだあたしはっ!


やっぱり変だ!
今日のあたしどうかしてる!


一回落ち着こ!?
冷静になろ!



………うん。



落ち着くまで旭とあんまり関わらないようにしよう…










………って、








そう思ってたのに…



こういうときに限って…



「あ、小泉。衣装係だったよな?演劇部で放課後衣装出しするらしいから旭と見に行ってきた方がいいぞ。」


「えぇ!?」


こんなことになる。



お昼休みが終わる直前になって委員長がサラリと涼しい顔で告げた。

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