ふたご王子に恋をした
「靴下脱げ。湿布貼る。」


「う…はい…」



言われた通り靴下を脱ぐと、慣れた手つきであたしの足首に湿布を貼ってくれた。



「とりあえず応急処置だからちゃんと病院は行っとけよ。」


「うん…ありがと。」


「別に…。」




なんだかんだ言って陽って優しいかも…



「なんなのアイツら。」


「アイツら?」


「さっきの、わけわからん女たち。」


「あぁ…なんか旭のファンみたいよ?あたしもよくわかんないけど…旭ファンからはあたしよく思われてないみたい…」


気まずそうに笑って見せると、陽がイスを持ってきて目の前に座った。


思ったよりも近い距離にまた心臓が高鳴る。


あたし…なに緊張してんだろ…



「誰にどう思われようと関係ねぇだろ。くだらねーこと言うやつは俺がシメといてやるよ。」



そう言うと、陽がポンとあたしの頭に手を置いた。


言葉は不器用なのに、陽の顔は今までにないくらいスゴく穏やかで優しい顔をしていた。


いつもの陽からは想像できない…別人みたい…



「…正直、最初は俺お前のこと嫌いだったんだよね。」


「なにそのうれしくない告白!」


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