ふたご王子に恋をした
「ギャーギャーうるせぇし、バカだし脳みそ足りてねーし、品ないし、文句多いし、いいとこひとつもねぇなって思ってた……」


「完全に悪口じゃん!」


「最後まで聞けっつーの。そういうとこが脳みそ足りてねーんだよ。」


「うっ!」


痛いところをつかれ思わず黙る。


悔しいけど全部合ってる気がするし…



「なんで旭はこんなバカ女のこと気に入ってんだろうって思ってたけど…なんかわかった気がするわ。」


なにがわかったんだ?



「まぁ、親父との仲取り持ってくれたのもお前のおかげだし…最近学校も悪くねぇなって思えるのもお前のおかげ…かもって…思うし…。」


そこまで言った陽は恥ずかしそうに目線をそらしたが、すぐにまたあたしの顔を見た。










「ありがとな、麻衣。」








へ……………





い………今………





ま…ま…麻衣って………




麻衣って…


言った…よね?





麻衣って言ったよね!?




聞き間違いですかっ!?




「…すげーアホ面。」


「アホ面って!」



誰のせいだよ!


陽はフッと鼻で笑うと、さっきよりも顔を近付けた。

自然と鼓動が早くなる。



「でも、麻衣のそういうところが…」



えっ…な、なななに………!?

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