ふたご王子に恋をした
「色んな女と仲良くすんのはお前の勝手だけど、裏ではコイツに迷惑かけてるってこと、覚えとけ。守りたいって思うならなおさらな…」



そう言い残すと陽は保健室をあとにした。



守りたい…?
なんの話だろう…



うつむいて黙ったままの旭…



「あ、旭?」


「……ねぇ、それ本当?」


「え?」


「誰かにやられたって話は本当かっつってんの。」



顔をあげた旭は今まで見たことないくらい冷たい目をしていた。


一言で言うなら、完全にキレていた。


こんな旭見たことない…



「えっと…わざとじゃないと思うんだけど…」


「誰?俺の知ってるヤツ。」


「それは……」


「言って。」


「えっと…お昼休み…しゃべってた…コたち……て!ちょっと待って!」



あたしの話を最後まで聞くより早く旭が保健室を飛び出そうとしたのであたしは慌てて旭の腕をつかんだ。



「どこ行く気!?」


「あぁ?ぶっ飛ばしに行くんだよ。離せ。」



ヒーッ!!
完全に陽みたいになっちゃってるし!
やっぱりコイツら中身も似てるのかも…


< 240 / 389 >

この作品をシェア

pagetop