ふたご王子に恋をした
「そういえば……足は?なんともないのかよ。」


「えっ?あぁ…うん。もう全然平気!」


「すげー回復力。」


「余計なお世話だわ。」


「……あれから…何かやられたか?」


「へっ?なんかって?」


「あの…変な女たちになんかされてねーのかって聞いてんの。」



あたしの顔を見ずに不器用そうに言う陽。



そういえば…あの現場、陽に見られてたんだっけ…



「うん…あれから特に何もないけど…」



「……そう、ならいい。」





わ……

なに?

もしやずっと気にしてくれてた……のかな。



どうしよ…

ちょっとうれしいぞ。



…って、なに喜んでんだあたしっ!


思わず跳ね上がった心臓を抑えるようにあたしは頭を横にブンブンと振った。



「…あ。早速客来たみたいだけど?」



幕の向こうからキャピキャピと女の子たちの騒がしい声が聞こえてきたかと思うと、すぐに叫び声に変わった。



うわ…
あんなに叫ばれるとこっちまで怖くなるんだけど…


そう思ってるうちに最後のお札を置くポイントに到着した。


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