ふたご王子に恋をした
遠目から頬杖をつきながらあたしはボソッとつぶやく。


ウチの高校の制服はカワイイとは言えないなんとも地味な制服で、紺色ブレザーに白シャツ赤リボン、男子も紺色ブレザーにチェック柄のネクタイ。


色合い的にはかなりジミーズなんだけど…



市瀬くんは水色で裏地にはチェック柄が入ったかわいいポロシャツを着ていた。


オレンジの頭とまーウマい具合にマッチしてますってカンジ。



「さぁ?まだ制服が届いてないんじゃない?」


「あぁ、なるほどね。」


ジーッと後ろ姿を見ていると、あたしのただならぬ視線を感じたのか市瀬くんが振り返った。



やば、こっち見た!



ダラーッと頬杖をついていた姿勢が一瞬にしてピシッと戻る。



その瞬間、あたしの前に黒い影が立ちふさがった。



「で、小泉。お前どういうつもりよ。」


「うぎゃ!」


あたしの前に立っていたのはツトムくん。


「転校生が来たからって遅刻がごまかせると思ってたならツメが甘いぞ。」


「え、いやー、むしろ転校生に免じて許してくれないっ?キャハっ☆」


「…なにそれ。全然かわいくないんだけど。むしろスゲー腹立つからやめてくれる?」


「うわー。はっきり言うね。」


「ふざけたこと言う余裕があるならさっさと職員室まで来い!」


「ギャー!」

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