ふたご王子に恋をした
「つまりここの文法はー………」




はあ……


せっかく千夏に教えてもらってんのに全然頭に入ってこないよ…





1学期の期末テストのときは旭と陽に教えてもらったんだっけ…


懐かしいな…


あのときはまさかこんな展開になるとは想像も出来なかったけど…








『麻衣のこと好きだよ』



『話せば話すほど……気持ちが…揺らぐ…』



旭のこともちゃんと考えなきゃいけない…


だけど…陽のことも気になる…



どうして旭が好きかなんて聞いたんだろう…話って………


そもそもどういうつもりで…あたしのこと…抱き締めたのかな………




「…コラ!人が教えてんのにボーッとすんな!」


「いててっ!」



心ここにあらずといったあたしのほっぺたをシャーペンの頭でつつく千夏。



「まぁまぁ千夏ちゃんカリカリしないで。麻衣ちゃん、苦手な英語はあとにしてまずは得意なヤツから片付けてみたらどうかな?はい、チョコレートでも食べて気持ち落ち着かせて☆」


ニコニコと優しく微笑みながら紗結ちゃんが一口サイズのチョコを渡してくれた。

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