ふたご王子に恋をした
「そろそろ帰ろうぜ~!」


「そうだねー。麻衣ちゃんは?」



「あぁ、あたしはもうちょっとだけやってこうかなー。ようやくやる気出てきたから!2人は先に帰ってて。」


「おっ!やる気出たならいいことじゃん♪じゃあ…お言葉に甘えて先に帰るよ?」


「うん、あたしもあと30分くらいしたら帰るから。じゃあね♪」



千夏と紗結ちゃんを見送ったあと、またノートに目を落とし勉強を続ける。



実はひとりのほうがはかどるのかもな…



でもちょっと眠くなってきたな……




「ふわああ……」


「すげぇあくび。」



人目もはばからず大きなあくびをすると、頭の上から低い声が聞こえてきた。



「……ひ、陽っ。」



目の前には呆れ顔で立つ陽…



なんでこんなとこに??



「…なんだよそのアホ面は。とりあえず口閉じろ。」


「あ、はいっ…」



慌てて両手で口を抑えると、陽はクスッと笑った。



な、なんだよ…笑うことないじゃんかー…



…………ん?


え!?
笑った?
陽が笑った!?


めずらしー!!


あの陽が笑うなんて、違う人みたい。



なんかうれしいかも…


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