ふたご王子に恋をした
そんなあたしの視線に気付いたのか、陽は少し照れたように目線をそらした。



「なんだよ…ニヤニヤして気持ちわりぃな。」


「え?ニヤニヤしてる!?」


「してる。」


「いてててっ!やめれー!」



陽に両手で思い切りほっぺたをつねられあたしの顔は変な顔になった。



「…はぁ、くだらねぇ。」


「アンタがやったんじゃんか!」


「…で、お前はこんなとこで何してたわけ。」


「見たらわかるでしょ、勉強だよ!」


「ふーん…」


「そういうアンタこそなにしてんの?」


「…寝てた。」


「寝てた!?」




そういえば6時間目からいなかったけど…もしや…




「6時間目からずっと寝てたの?」


「そうだけど。」


「寝過ぎだろっ!」


「うるせぇなー…ほっとけ。」



気怠そうにそう答えながらも、あたしのとなりに座ると机に顔を伏せた。



「…お前、まだ帰んねーの?」


「え?あぁ…あと30分くらい勉強してこうかと思ってたんだけど…」


「…あ、そう。じゃ、寝て待ってるから帰るとき起こせ。」


「へっ?待ってるって……」


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