ふたご王子に恋をした
「バカ、冗談だよ。行くぞ。」


うっ…
なんなんだあの妙な余裕は…あたしだけ焦って本当バカみたいじゃんか!


そうだよね…よくよく考えてもキスなんてするわけないじゃん!



なに考えてんだろあたし!


正気かあたしっ!


ふんぬーッ!


「…で、今回のテストは大丈夫なの。」


しばらく歩いたところで、陽がポツリと言った。


「えっ?いやー…まぁ、大丈夫ではないけど…」


「…だろうな。」



「わかってんなら聞かないでよ~…」



呆れたようにため息混じりで言う陽に、さらに深いため息で返すと、陽があたしの頭にポンと手を置いた。



「…まぁ、数学くらいならまた教えてやってもいいけど。」


「えっ?」


「どーせひとりでやっても理解出来ねぇんだから…教えてもらったほうが頭に入んだろ。」


「うぎゃあっ!」



そう言って頭をグシャグシャっとなでる。



最近気付いたけど…


陽っていわゆる“ツンデレ”な気がする。


本人に言ったら怒られそうだけど…

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