ふたご王子に恋をした
「それじゃあ、また明日!」
「あぁ…。」
家の前まで着き、陽に別れを告げる。
お腹もすいたことだしゆっくりゴハンでもたべ……
「…………あれ?」
「…なんだよ。」
「いや………え………えっ!?うそ!うそでしょ!」
「だから、なんだよ!」
「…カギ…家の鍵、忘れたみたい。」
「はあ!?」
ない!
鍵がないよっ!
家の前でカバンの中をガサガサとあさるが、お菓子や雑誌の余計な物しか出てこない!
なんて役に立たないカバンなんだ!
「…落ち着け。家には誰もいねーのかよ。」
「今日はお母さん同窓会行くから遅くなるって…」
「弟は。」
「塾……」
つまり……お母さんか遼が帰ってくるまで家に入れないってことだよね…
うわーん!
「残念極まりないな。」
「…しょうがない。ファミレスにでも行って時間つぶすよ…お騒がせしました…。」
ガックリ肩を落とし身体の向きを変えた瞬間、ガシッと手首をつかまれた。
「……おい。」
陽の手の冷たさが身体に伝わりドキリとする。