ふたご王子に恋をした
「な、なんでしょうか…?」


目をパチクリさせ振り返ると、何か言いたげな顔の陽と目が合った。




「……ウチ来れば。」


「えっ?」



「ファミレス行くより安上がりだと思うけど…」


そこまで言ってパッと手を離す。



「い、いいんですか…!?」



「いいけど部屋汚すなよ。」



「ちょ、あたしどんなイメージだよ……ってシカトすんな!」




ツッコむあたしをよそに、手際よく鍵をあける陽。

話は最後まで聞こうよ!




「……ん、入れば。」


「あぁ…えっと、それじゃあ…遠慮なく、お邪魔しまーす…」




あたしは頭をペコリと下げると申し訳なさそうに市瀬家にお邪魔した。



『ウチ来れば』


なんて言うと思わなかったからちょっとビックリした…


家の中は静かでリビングはガランとあいていた。


「…あれ?旭、まだ帰ってないんだ。」


「さっき國政とメシ食べてくるってメール入ってた。」


「そっか…」



………ん、待てよ。


て、ことはなんだい…しばらくは陽と二人きりってことですか!?

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