ふたご王子に恋をした
「ボーッと突っ立ってんなよ。座れ。」


「は、はい!」



や、ヤバい…

二人きりだと思ったら急に緊張してきた…



てゆーか、何気にこうやってまともにゆっくり陽と話したのって学祭以来じゃん!


あぁ…あたしってば何ノコノコと家に来てんだろ…


いきなりあのときの話フラれたらどうしよう…


あたしに回避するだけのアドリブ力なんてないよ!


ないうえに自分の中で何も問題解決してないし!


旭が好きなのかもまだわかんない。

陽のことも気になる。

陽を気にすれば紗結ちゃんのことがもっと気になる……



ザ・悪循環!





「…なに飲む?」


「えっ!?あぁ、なんでもいいです!」



「はぁ…それがイチバン困る…。」


「ご、ごめん…」



キッチンでため息混じりに飲み物の用意をし始めた陽を申し訳ない眼差しで見る。


…すいませんね。
今のあたしには飲み物を考える余裕すらないんですよ…


それどころじゃないんですよ…


勝手に決めてくれ!


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