ふたご王子に恋をした
鼻につくことをサラリと言うんだよな、コイツ…


ムッとしながらもケーキを口に運ぶあたしを見て陽がプッと吹き出した。



「な、なによ…」


「いや…ムカつくって言いながらもしっかりケーキは食うんだなぁと思って。」




ハッとしたがすでに半分以上が胃袋におさまっていた。


く……悔しい~!
なんでだろ…なんでか負けた気がするっ!




「う、うるさいよ!」


「フッ…お前ってホント表情がころころ変わるなー…見てて飽きん。」



そう言って頬杖をつきながらあたしを見つめるその視線にドキッとする。



陽って旭とはまた違うかっこよさがあるんだよね…


高校生にしては妙に落ち着いていて、それがすごく自然で色気がある。


女の子たちが見とれる気持ちがわかるというか……



…だめだ、あたしまた変なこと考えてるよ……


おお落ち着けっ!




気持ちを落ち着かせるために紅茶をすする。



……フゥ。
おいしー…


ちらりと顔をあげると陽がフッと目を細めた。



「……なぁ?」


「な、なにっ?」


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