ふたご王子に恋をした
「な、ななななな、なんでいきなりそんな質問っ!?」



「…いきなりだったか?」



「いきなりだよ!」



「…そうか。」



陽はあたしに背を向けながらつぶやいた。なんで急にそんなこと聞くかな!焦るじゃん!


まぁ………




「…彼氏いたこと…ないけどね。」


「あ?ワリィ、小さくて聞こえんかった。なんて?」



…ちょ、何度も言わせんなよ…と思いつつあたしはドスのきいた声で叫んだ。



「彼氏いたことないっつったんだよ!!」


「…なんでキレてんだよ。」


「別にキレてないけどね!ただ、聞こえないっていうから大きい声出しただけですよ!」


「フッ…はいはい、悪かった。1回で聞き取れなかった俺が悪かった。」



まるで子どもをなだめるような優しい口調で言われ、少しだけ拍子抜けした。



な、なんだよー…
必死になって超ハズいじゃん。



「…ふぅん……よかった。」



…良かった?



「ん、飲めば。」


考える間もなくおかわりしたお茶がコトンとテーブルの上に置かれた。


< 274 / 389 >

この作品をシェア

pagetop