ふたご王子に恋をした
「ん」


う~んと悩んでいるうちに陽がボンとアルバムをテーブルの上に置いた。


…弟がいいって言ってんだから…いいか。


そう思いながらアルバムを開くと、今より少し幼い顔をした旭の写真が真っ先に目に入った。




「……若ッ!カワイイ。」


「…それは、中学んときのだな。」



陽がチラリとアルバムをのぞきこむ。



「へ~…中学のときはちゃんと制服着てたんだね…」


「すでに耳に穴が6コくらいあいてたけどな。」


「旭って、明るい不良だよね。」


「不良かどうかは知らんが…ただのバカにしか思えん。」



「あははっ。双子なのに見た目も中身もホント全然似てないよね、アンタたちって。」


「まぁな。フツーはそうだろ。」



「いや、フツーは似てると思うけど?趣味とか好きなものまで一緒だったり、なんかピンとくるものがあったりさ!第6感的な!」


「あるわけねぇだろ。テレビの見すぎ……あ……でも……」


「でも…?」




「…どういうわけか、好きな女のタイプは一緒だな。」



そ、それって……



つまり…………



< 276 / 389 >

この作品をシェア

pagetop