ふたご王子に恋をした
紗結ちゃんが告白するのは自由なことだし、あたしの大事な友達だから後押ししたい。


頑張れって、


うまくいくといいねって、


笑顔で応援したい。



なのになんでこんなにモヤモヤするんだろう…


なんでこんなに複雑な気持ち?



紗結ちゃんのこと考えたいのに、陽のことも考えてる。


陽はあたしのこと、どう思ってるんだろうって。


優しくしてくれたり、

抱き締めてくれたり、


キスしたり、


そんなことされたらドキドキしないわけないじゃん。



好きなのかな、って勘違いしちゃうよ。



だけど、陽がホントは何を思って、あたしをどう思ってるかなんてわかんない。


旭みたいに、言葉で言ってくんなきゃわかんないよ。



「……あれ、旭じゃん?」



「……え?」



陽と紗結ちゃんでいっぱいの頭の中に『旭』という言葉が飛び込んだ。


顔をあげると職員室の前で旭とツトムくんが話していた。


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