ふたご王子に恋をした
*真美のこと
「俺、チョコレートケーキに決ーめたッ!麻衣は?」
「えっ、あ、まだ決めてない…ちょっと待って!」
「5秒ね。」
「早いよ!」
「あははっ☆うそうそ。ゆっくり考えていいよ♪」
ファミレスの隅っこの席でメニューを目で追う。
あー…話ってなんだろう。
大事な話なのかなって思ったけど…緊張感ないし…
ときどき旭が読めないんだよね…
「……じゃあ、ミニプリンパルフェ。」
「かしこまりましたー。すいませーん。」
エプロン姿で歩き回る店員さんを旭が呼び止める。
「ミニプリンパルフェと、チョコレートケーキ、ドリンクバー2つでお願いします。」
「かしこまりました。」
店員さんが去ったあと、妙な沈黙から逃げるようにコップの水を一口飲む。
ちょっとだけ空気がやわらいだ気がした。
「…突然誘ってごめん。大丈夫だった?」
「う、うん!全然!大丈夫!」
日本語合ってんのか、コレ…
「なら良かった……それで、麻衣の話ってなに?」
「え!!えっと…旭から話して!旭のほうから話があるって言ってたんだし!」